中西奨学会の功績

わが社の足跡を振り返るなかで忘れてはならないものが、1971（昭和46）年に設立した「財団法人中西奨学会」（現・一般財団法人中西奨学会）である。当時の社長、中西義雄が私財4億円を投じ、これを基金としてスタートした。経済的に恵まれない全国の前途有為な青少年に学資金を給付するとともに、世に埋もれた科学者の研究を助成しようというものだ。

  2010（平成22）年3月現在の総資産は12億4500万円、2011（平成23）年度の予算額は5700万円。無償給付対象者は高校、高専、大学、大学院の4コース。月支給額は高校（2年生から2年間）1万円、高専（2年生から4年間）1万3000円、大学（3年生から2年間）2万7000円、大学院（2年間）3万3000円となっている。

  発足から40年。これまで奨学金の支給をうけた学生は延べ3700人を超え、支給総額は約8億円にのぼっている。コース別人数の割合は高校22％、高専24％、大学40％、大学院14％。給付生には奨学金の返済はもちろん、就職その他いっさいの義務を求めず、隠れた社会奉仕の建前を貫いている。理事長は中西一雄名誉会長が務めている。